つくった人にききました。

家庭用コンパクト精米器
精米御膳

村上企画担当: 村上

佐藤デザイン担当: 佐藤

斉藤開発担当: 斉藤

MR-D720W
希望小売価格
34,650円
(本体価格:33,000円)

<新商品MR-D720について>

それではまず、今回の新しい精米器について教えてください。

村上:
村上

はい。今回新発売のMR-D720は、前機種からの変更点が大きく2つあります。
ひとつは精米ハネの形状を改良してかくはん棒としたことで、もうひとつは上白米モードを追加したことです。
精米ハネの改良については、従来板状だったハネの形状を丸棒形状に変更するというもので、実は先に発売したMR-D570という機種でも既に実施しています。
この変更によってさらにやさしい精米ができるようになり、割れるお米の割合も益々減らすことができました。
角の無い丸棒形状はお米をスルッと受け流すためお米の割れる割合が減少するようです。

また、従来機種では白米設定で精米してもわずかながらぬか層が残る場合があり、お客様からも度々ご指摘を頂戴することがあったのですが、このように真っ白なお米への要望もかなり強いものがあったので、今回は上白米モードを搭載しました。
いわゆる光輝く銀シャリです。
見た目も味のうちですから、真っ白いご飯が食べたい方には是非おすすめの新機能です。
それにともない、精米時間の設定も合数や精米度合に合わせすべて見直しをしております。
今までの「精米羽根」の精米時間とは異なりますのでご了承願います。

開発を進める中で特に苦労した点は何ですか?

斉藤:
斉藤

そうですね。一番苦労した点はやっぱり試験回数が膨大で気が遠くなるくらいだったことでしょうか。
特に胚芽モードの試験で胚芽の残量を調べることがとても大変でした。
胚芽の残量は一度精米したお米から無作為に100粒を取り出して、その100粒のうち胚芽が残っているものが何粒あるかを一粒ひとつぶ目で数えるんです。
1〜5合まで各合数それぞれについて、精米時間や回転速度を少しずつ変えながら、精米しては100粒取り、取り出しては数える作業を繰り返して、全部でいったい何千回数えたことか....。
それから、かくはん棒の形状を検討していた時には、棒の太さ、長さ、角度など、いろいろ条件を変えたものをいくつも試作しましたが、その試作品ひとつ一つについて精米時間や回転速度を変えながら何度も精米して、取れたぬかの量や砕けた米の数を測定するのです。
このような地道な作業を何度も何度も繰り返して、ようやく適正な条件を求めることができました。

精米器というと音がうるさい印象があるのですが、その辺は何か工夫されていますか?

斉藤:
斉藤

精米器における一番の騒音元は玄米の擦れる音です。
ですから音の発生自体を抑えることはできません。
そこで騒音対策はいかにして音が器体の外に出ないようにするかということになってくるのですが、単純に外装を厚くして音を封じ込めようとすると、製品のサイズが大きくなってしまいます。
また器体の密閉性も高くなるため熱が内部にこもり、お米の温度も上昇してしまいます。
余分な熱はお米の味を落とす原因になりますから、騒音対策も一筋縄ではいきません。

ということで、音の大きさとお米の温度上昇とのバランスが非常に重要で、これは今後の課題でもありますね。
今回の新商品MR-D720や前機種MR-D710では、フタを2重にして静音性を高めるとともに、一部に穴をあけて熱を逃がす工夫をしています。
ですから騒音は精米器としては小さいほうだと思っています。

余談ですが、以前とあるWEBサイトの書き込みにこの精米時の音を「川の流れのようだ」と詩的に表現してくださった方がいらっしゃいました。
ありがたいことですね。

製品デザインのポイントを教えてください。

佐藤:
佐藤

毎日精米して新鮮なお米を召し上がっていただくということをコンセプトとして、炊飯器の横に並び置かれるコンパクトな調理器具をイメージした結果、まずは親密感のある丸っこい形状にしようと考えました。
それで、あるものをモチーフにしてデザインすることに決めたのですが、わかりますか?本体を上から見てください。
何かに似ていることに気づきませんか?
白くて丸みのある形状にちょっとくぼみがあって...。答えはお米の形です。
実は白米がこの精米器のモデルなんです。

また操作部は、想定メインユーザーである中高年層を意識して、できるだけシンプルで分かりやすく操作しやすいデザインにしようと心掛けました。

<精米豆知識>

家庭で精米することのメリットは何でしょう?

村上:
村上

そうですね、まずは「美味しさ」、次に「健康」でしょうか。
白米は表面から次第に酸化していくので、精米してから日が経つと徐々に食味が落ちてしまいます。
あまり意識しませんが実はお米は「生鮮食品」なのです。ですから、ご家庭で精米できれば、新鮮で美味しい白米を毎日手軽に味わえます。
つきたてのお米はやっぱり美味しいですよ。
お米は日本人の主食であるだけに、産地から直接お取り寄せしたり、銘柄を毎回指定するなど、お米にこだわりをお持ちの方は多くいらっしゃると思いますが、そんな方々にこそ、毎日つきたてのお米を味わっていただきたいと思います。

ところで、ぬかの中には食物繊維を始めとしてビタミンBやビタミンEなど健康的な栄養素がたくさん含まれています。
ですから白米だけを食べて、これらの栄養素を全部ぬかといっしょに捨ててしまうのは非常にもったいないことだと思います。
理想は玄米食かもしれませんが、玄米は炊き方に一手間必要で、また食味も癖があってなかなか食べにくいものです。
しかし分つき米や胚芽モードのお米でしたら、白米と同様に炊くことができますし、食味の癖も少ないので玄米が苦手な方でも食べやすいと思います。
最近では雑穀米や分つき米を出す旅館が人気を呼んでいるくらいですから、健康のためにもぜひ試していただきたいですね。

かくはん式精米器のメリットとは?

村上:
村上

現在、家庭用精米器の精米方式は大きく分けると「かくはん式」と「圧力式」の2種類あります。
圧力式は1度に精米できる量は多いのですが、構造が複雑でサイズの小型化にはあまり向いていません。
また摩擦で発生する熱によってお米の温度が上がり、味を損ねたり、お米の割れが多く発生するといった欠点があります。
さらに、ぬかのお手入れも構造が複雑な分、どうしても面倒になってしまいます。
その点かくはん式は、1度に精米できる量に限りがあり精米時間も長めではありますが、お米をかくはんする際に発生する風がお米の温度上昇を抑えてくれるので、食味を落としにくくお米も割れにくいという利点があります。
また、圧力式に比べて非常にコンパクトにできるので、レンジ台の炊飯器の横に置けるなど設置場所をあまり取らない点も一般家庭には魅力的だと思います。
また、ぬかのお手入れについても、汚れる部分は外して簡単に水洗いできます。

家庭用精米器のメインターゲットについて教えていただけますか?

村上:
村上

実際に購入された方を調査してみたところ、40代〜50代前半くらいの方たちがメイン購入層になっていました。
いわゆる団塊世代の方たちであり、味と健康へのこだわりが購買動機になったのではないかと思います。
また、60〜70歳前後の方たちが予想以上に多いこともわかりました。
ご年配の方々にとっては、玄米をコイン精米所へ持ち込むことは一苦労で、家で精米できるという手軽さが評価されたのではないでしょうか。 当時、一般に玄米は一袋30kg単位で流通していましたから、それをご年配の方が持ち運ぶのは相当大変な作業だったと思います。

また地域別では、玄米を手に入れやすい農村部の方が需要が多いだろうと考えていたのですが、実際には東京や横浜などの都市部を中心に売れていることがわかりました。
「健康食ブーム」のきざしがあったのでしょうか。
あと販売方法として、当初は通信販売や訪問販売での取り扱いを主に考えていたのですが、蓋を開けてみると店頭でも大変好評で、いい意味で予想を裏切られました。
家庭用精米器は決してメジャーな商品ではありませんが、実は多くの方に認知され、待ち焦がれていた商品だったようです。

全国、どこの玄米でも同じように精米できますか?

村上:
村上

開発時の試験では新潟産のコシヒカリを使用していますが、最終的には全国からいろいろな産地のお米を取り寄せて、それで実際に精米して確認をしてから製品化していますので、日本のお米であればまず問題ないでしょう。

5分つきと7分つきの違いがよくわからないのですが?

村上:
村上

玄米はその10%がぬかで、残った90%の部分が白米です。
ですから、玄米を5%削れば5分つき、7%削れば7分つきということです。
ちなみに白米は10分つきということになります。