コロナ禍で冷蔵庫の容量が不足!?

 

 

 

コロナ禍で冷蔵庫の食品保存量が増える家庭が続出?

家庭にある家電の中でも、使わない日はない冷蔵庫。コロナ禍が長引く日々の中で、なんだか前より冷蔵庫の容量が足りなくなってきた…と感じるようになった人はいないでしょうか?外出や外食の自粛をしなければならない日が続き、以前よりも自炊をすることが多くなったため、冷蔵庫に保存する生鮮食品や野菜などが格段に増えた家庭も多くなっています。普段から自炊をしている人でも、スーパーへ行く頻度を減らしているという場合は以前よりも一度に買い物する量が増え、冷蔵庫に食品が入りきらなくなってきたというご家庭もあると思います。

 

また、食品だけでなく、缶ビールなどのアルコール飲料も冷蔵庫に買い溜めておくことが増えた人も多いのではないでしょうか。コロナ禍で会食や飲み会の回数が激減し、お酒を飲むのが好きな人は家で晩酌をする機会が増えたことと思います。また、居酒屋などでの飲み会の代わりに、自宅でのオンライン飲み会をする機会も増えています。缶ビールなどは箱買いすることも多いため、小さい冷蔵庫ではすぐにいっぱいになってしまいます。

冷蔵庫の各部屋の温度の違いとおすすめの保存の仕方

冷蔵庫に入れる食品の量が多いと、冷蔵庫内のどの部屋にどの食品を置くか、また同じ部屋内であっても、どの位置に保管するかなどという配慮をする余裕がなくなってしまいがちです。一般的な中型の家庭用冷蔵庫を使用している場合、生鮮食品は冷蔵室、野菜類は野菜室、冷凍食品は冷凍室…くらいにしか使い分けていない人がほとんどではないでしょうか。

しかし、一言で冷蔵庫といって言っても各部屋の温度には違いがあり、それぞれの部屋ごとに保管するのに適した食品、保存方法が異なります。また、近年は様々な機能を持った冷蔵庫も登場しており、冷蔵庫の各部屋の細分化も進んでいます。

ここでは、冷蔵庫の各部屋の温度と特徴、保存に適した食品とおすすめの保存の仕方をお伝えします。

1.冷蔵室

温度:3~6℃(温度調節機能がある場合、0℃~9℃程度に調整可能)

冷蔵室は一般的な家庭用冷蔵庫のメインとなる部屋で、冷蔵庫全体のうち一番大きなスペースを取られていることがほとんどです。

広々としたスペースがあるので、肉や魚、卵などの生鮮食品から、納豆やヨーグルト、牛乳といった冷蔵保存する食品は冷蔵室に入れることになります。また、常温保存しにくい調味料や、余った料理、作り置きしたおかずなども冷蔵室に入れるのに向いています。

一定容量以上の家庭用冷蔵庫の場合、冷蔵室は2段に分かれているものや上段・中段・下段と3段に分かれているものがほとんどです。冷蔵室の温度は一定に保たれるようになっているものの、空気の特性上、温かい空気は上に、冷気は下に溜まりやすくなるため、同じ冷蔵室内でも下段のほうが上段よりも1~2℃程度温度が低くなっています。

◆保存するのにおすすめの食品・食材

肉類、魚類、卵、牛乳、総菜、作り置きおかず、調味料など

◆保存方法

一口に冷蔵室といっても、上段・中段・下段と分かれているため、場所によって温度が違ってきます。また、冷蔵庫内を冷やすための冷気が入ってくる吹き出し口から近いか遠いかでも、温度に違いが出てきます。

 

冷蔵室上段

冷蔵室の上段は背丈よりも上のほうにあり、奥の方まで見渡すのが難しい場所です。また、冷気は下の方に溜まる性質があるため、冷蔵室上段はやや温度が高くなりやすくなっています。そのため、あまり頻繁に出し入れをする必要がなく、長期間保存しておきたいものを保管しておくのに向いています。たとえば、未開封のペットボトル飲料や調味料、ビール缶などは冷蔵室上段に保存しておくのがおすすめです。

 

冷蔵室中段

冷蔵室の中段は食品の出し入れがしやすいため、頻繁に消費する食品や作り置きのおかずなどを保存しておくのに向いています。常備菜を時間のある時に作り置きしておく、というご家庭も多いかもしれませんが、作った常備菜はガラスの透明なタッパーなどに保存しておくと中身も分かりやすく、またタッパー同士が重ねられるタイプだとスペースを有効活用できます。

その他にも、毎日朝食に使うジャムやヨーグルト、ハムやウインナーなどの加工品なども中段で保存するのにおすすめです。

 

冷蔵室下段

冷蔵室の下段は冷気が溜まりやすいため、賞味期限が短く消費頻度の高い食品を保存するのに適しています。納豆や豆腐、卵などを保存するのがおすすめです。

また、冷蔵室の下段は取り出しやすい場所である上に仕切り板もしっかりと安定しているので、大きめのお鍋を置いておくのにも向いています。前日に作り過ぎたスープやカレーなどは、鍋をそのまま常温で放置しておくと、特に温かい季節は一晩で傷んでしまったりカビが生えてしまったりします。そうならないためにも、余った料理は冷蔵庫に保管して、食べるときにまた温め直しましょう。お鍋ごと冷蔵庫に置いておけば、翌日以降にまた温めなおすときもそのまま火にかけることができて便利です。

2.チルド室(チルドルーム)

温度:0~2℃

チルド室は、冷蔵室の中でもメインのスペースから区切られているスペースで、メーカーによってはチルドルームという名称になっている冷蔵庫もあります。温度が0~2℃と冷蔵室よりも低くなっているため、一定期間冷凍せずに保存したいものや、鮮度が落ちやすい生肉や魚などの保存に適しています。

◆保存するのにおすすめの食品・食材

生肉、魚類、刺身、納豆や漬物、キムチなどの発酵食品、ちくわやはんぺんなどの練り物類

◆保存方法

チルド室は0℃前後に温度が保たれているため、食品内の水分が凍る直前の状態で保存してくれるのが特徴です。そのため、生肉や魚、お刺身といった生ものを保管するのに適していますが、スーパーで買ってきたパックをそのまま置いておくと、ドリップと呼ばれる組織液が出てきてしまい、汚れが気になることもあると思います。そんな時はパックごとポリ袋に入れて保存しておけば、ドリップがラップをつたって流れ出て冷蔵庫を汚してしまう心配もありません。

また、チルド室は生のお肉や魚の他にも、調理用に下処理した肉・魚の保管場所としても適しています。焼く直前まで作っておいたハンバーグや肉団子、餃子など、傷みやすいひき肉を使ったおかずや、ゆで豚やゆで鶏などを煮汁ごと保存しておきたい時にも便利です。また、お肉や魚に下味をつけて置いておくときも、ポリ袋に入れてチルド室に置いておけば、鮮度を保ったまま保存できます。

3.ドアポケット

温度:6~9℃

ドアポケットは、冷蔵室のドアの裏側に設置されている収納場所です。冷蔵室に分類されるスペースではありますが、冷蔵庫内の吹き出し口から遠く、またドアの開閉が多い場所であることから温度が上がりやすい場所となっています。また、ドアの開け閉めにより衝撃が加わりやすいため、衝撃に弱い食品は保管するのに適していません。

ドアポケットはその構造上、基本的に横向きに置けない開封済みの飲み物や調味料などを保管する人が多いかと思います。しかし、上述したように温度が上がりやすい場所であるため、未開封の牛乳などはドアポケットではなく冷蔵室に横にして保存するのがおすすめです。なるべく冷たくしたい缶ビールやアルコール飲料、炭酸ジュースなども、温度が高くなりやすく衝撃が多いドアポケットに保存するのに向いていません。

◆保存するのにおすすめの食品・食材

開封済みの牛乳、飲料、調味料、スパイス、ドレッシングなど

◆保存方法

開封済みの牛乳やパック飲料、お茶が入ったポットなどは横向きに保存できないため、ドアポケットに保存することが多いと思います。ドアポケットは温度が高くなりやすく、特に夏場は外気温に影響を受けやすい場所でもあるため、開封した飲み物はなるべく早く飲みきるようにしましょう。

 

ドアポケットに収納しやすい調味料類は、使用頻度が高いものからあまり頻繁には使わないものまで、ついつい増えてしまいがちです。ケチャップやマヨネーズなどをはじめとして、練りからしやわさび、おろしにんにくやおろし生姜など、便利なチューブ系の調味料はサイズも小さく、そのまま立てて保管しようとするとドアを開閉するたびにバラバラと倒れてきてしまい、横向きに置いておくと取り出しにくく収納スペースも無駄になってしまいます。そんな時は、ホームセンターや100円ショップで手に入るホルダーや仕切りを使うのがおすすめです。無駄なく沢山の調味料を収納することができ、スッキリと取り出しやすくなります。

 

また冷蔵庫購入時には、ドアポケットに卵ホルダーが備え付けられていることが多いですが、割れやすく衝撃に弱い卵は実はドアポケットに保存しておくのにあまり向いていません。そのため、できればドアポケットではなく冷蔵室に置いておくのがおすすめです。さらに、卵を長持ちさせるためには、保存するときの卵の向きも重要です。卵は丸みがあるほうと尖っているほうがありますが、尖っている方を下向きにしておくのが正しい保存方法です。これは尖っているほうが強度があり割れにくくなるためと、丸みのある部分には気室とよばれる空気の部屋があるためです。卵は丸い部分にある気室で呼吸するため、丸いほうを上にしたほうが鮮度が長持ちするのです。

4.パーシャル室

温度:-3℃~-1℃

パーシャル室は、一定容量以下の家庭用冷蔵庫には備わっていないものもあり、チルド室と混同されやすいスペースでもあります。各メーカーの商品によっては「特鮮氷温ルーム」「微凍結パーシャル」「氷点下ストッカー」などと独自性のある呼称がついていますが、パーシャル室とチルド室との一番の違いは設定温度です。チルド室の温度が0~2℃であるのに対し、パーシャル室の温度は-3℃~-1℃になっており、保存した食品の中の水分が微凍結状態となります。そのため、チルド室で保存するよりも鮮度を保ったままより長く保存できるという利点があります。

◆保存するのにおすすめの食品・食材

肉(かたまり肉、薄切り肉など)、魚、刺身、作り置きおかずなど

 

◆保存方法

パーシャル室は、チルド室と冷凍室の中間の温度設定がされているため、両者の良いとこどりと言えるスペースです。パーシャル室で保存された食料は半凍結状態になっているため、完全に凍ってしまうと扱いにくくなるお肉や魚の保存に向いています。解凍をする必要がないので食材の味が落ちる心配もなく、そのまま包丁で切ることができるので大変便利です。

また、作り置きおかずや、仕上げ調理直前まで準備したハンバーグのタネや餃子の餡、クッキーの生地などもパーシャル室で保存するのに向いています。

どの食材を保存する場合も、ラップで包んだりフリーザーバッグに入れたりして、重ならないように保存するのがポイントです。

5.野菜室

温度: 3℃~8℃

野菜室は、その名の通り野菜をより新鮮に保つことに特化した保存スペースです。多くの野菜は、温度の低い暗い場所に保存したほうが長持ちする傾向にあります。しかし、野菜の種類にもよりますが、あまり低温の場所に保存しておくと低温障害を起こして逆に傷んでしまうものもあるため、野菜室は通常の冷蔵室よりも少し高めに設定されています。

また最新の冷蔵庫は、野菜をよりみずみずしく新鮮に保つために、温度設定だけでなく様々な機能を搭載しています。たとえば、野菜が乾燥しないためのモイスチャー機能や、野菜が発生させる植物ホルモンであるエチレンガスを吸着・分解する機能が搭載されているものもあり、より長く新鮮な野菜を楽しむための工夫が見られます。

◆保存するのにおすすめの食品・食材

野菜、果物、米、粉類(小麦粉やホットケーキミックス等)、ワイン

 

◆保存方法

野菜を保存するのに特化している野菜室ですが、野菜の種類によって保存するポイントが異なります。根菜類や葉物類、キノコ類など、野菜の種類によってはもちろん、夏野菜か冬野菜かなどにもよって保存方法が異なります。

また野菜ならすべて野菜室に入れておけば大丈夫!というわけでもなく、そもそも冷蔵保存するのに適していない野菜もあります。

【野菜室で保存するのに向かない野菜】
  • いも類

ジャガイモ、サツマイモ、サトイモなどのいも類は、真夏以外は常温で保存するほうが長持ちします。ですので、乾燥している涼しい場所で保存するようにしましょう。ただし、真夏は室温も高温になってしまうため、そのまま置いておくと傷んだり芽が出やすくなったりしてしまいます。そんな時は新聞紙やキッチンペーパーなどでイモを包み、ポリ袋に入れて冷気と湿気が当たらないようにして保存しましょう。

また、いも類の中でも特にサツマイモは低温障害を起こしやすく、冷蔵室や野菜室に入れるとすぐに傷んでしまいます。サツマイモは夏場でも冷蔵室や野菜室には入れず、常温で保存するようにするのがポイントです。

 

  • 根菜類

にんじん、ゴボウなどの根菜類も、常温で保存が可能な野菜です。特に泥つきの場合は、泥を落とさないほうがより常温保存に向いています。特にゴボウは乾燥すると固くなってしまうので、泥付きのまま新聞紙に包んで涼しい場所においておけば1ヵ月ほどは保存可能です。ただし、洗ったものは常温保存には向きません。できたら切り口含め全体をラップして、野菜室に保存するようにしましょう。

 

  • 夏野菜

トマト・ナス・きゅうり・ピーマン・オクラ・とうもろこし・かぼちゃといった夏野菜も、冷蔵室での保存や、野菜室であってもそのまま保存しておくには向いていません。基本的に野菜は、収穫される時の自然環境に近い状態で保存するのが鮮度を長持ちさせるコツです。ですので、暑い時期に収穫される夏野菜は、冷蔵庫や野菜室の温度で保存しておくと低温障害を起こしてしまいます。ただし、あまりにも室温が高温になる時期は、夏野菜であっても冷蔵庫に入れないと腐りやすくなってしまいます。

トマト、きゅうり、オクラなどは、どれもキッチンペーパーに包み、フリーザーバッグやポリ袋に入れて保管し、冷気が直接当たらないようにします。また、かぼちゃは丸ごと保存する場合は特に常温保存に向いており、適切に保管すれば数ヵ月保存することが可能です。ただし、カットした状態のかぼちゃはそれほど長持ちしません。ワタの部分から傷んでくるので、種とワタを取り除き、切り口にピッタリとラップをして野菜室で保存しましょう。

常温保存に向いている夏野菜ですが、その中でもとうもろこしは例外といえます。とうもろこしは収穫されたそばから鮮度が落ちていくため、常温で保存しているとどんどん味が落ちてしまいます。生で保存する場合、皮付きのままキッチンペーパーにつつみ、ポリ袋に入れて立てて保存しましょう。それでも生での保存期間は3日程度なので、なるべく早く食べきるようにしましょう。

 

上述したもの以外の野菜類は、基本的に野菜室で冷蔵保存するのが向いています。その中でも、それぞれの野菜の鮮度が長持ちするおすすめの保存方法を紹介します。

【野菜室で保存するのに適している野菜の保存方法】

・葉物類

ほうれん草、小松菜、水菜、春菊といった葉物類は、保湿と保存する際の向きがポイントです。葉物野菜は乾燥に弱いので、少し湿らせた新聞紙などにくるみ、畑に生えていた時のように縦向きに保存します。こうすることで、買って来た時のまま冷蔵室に保存しておくよりも長持ちさせることができます。

 

・葉茎菜類

キャベツ・レタス・白菜などの葉茎菜類も、乾燥しやすいため保湿しながら保存するのが重要です。また、葉茎菜類は収穫後も芯から成長を続けるので、時間が経つにつれて葉の養分が芯に吸い取られ、鮮度が落ちてしまいます。

丸ごと保存する場合、まずはレタスやキャベツなどの芯を包丁で丸くくりぬき、そこに水で濡らしたキッチンペーパーを丸めて詰めておきましょう。こうすることで、水分が抜けていくのを防ぐことができます。その後新聞紙で包み、ポリ袋に入れて保存すると鮮度を長持ちさせることができます。

また、半分や4分の1サイズにカットされているものは芯を取ろうとすると葉がバラバラになってしまいます。このような場合は、無理に芯をくりぬこうとせず、芯に包丁で切れ目を入れたり、つまようじを刺しておいたりします。こうすることで芯の成長が止まり、日持ちするようになります。その後はラップで切り口をピッタリ覆い、野菜室で保存するようにしましょう。

 

・きのこ類

椎茸、しめじ、えのき、マッシュルームやエリンギといったきのこ類は、他の野菜類と違い湿気に弱い食材です。スーパーで買ってきたパックごと冷蔵しておくと、余分な水分が出てきてきのこが傷む原因となってしまいます。

どのきのこも、汚れが気になる場合は水洗いをせず、キッチンペーパーなどでさっと拭き取る程度にしておきます。その後キッチンペーパーで適量ずつ包み、ポリ袋やフリーザーバッグにいれて保存しておきます。キッチンペーパーで包むことにより、きのこから湿気を遠ざけ、美味しさが長持ちします。

 

野菜類を保存するために特化している野菜室ですが、もちろん野菜だけでなく果物の保存にも適しています。果物も野菜と同様、種類によっておすすめの保存方法が異なるので紹介します。また、果物にも野菜と同じく冷蔵保存に向いていないものも多くあります。果物も基本的に、暑い時期に収穫されるものは常温保存、寒い時期に収穫されるものは冷蔵保存するのがおすすめです。

【野菜室で保存するのに向かない果物】

・バナナ

熱帯の国が原産のバナナは冷気に弱く、冷蔵庫で保存すると皮が真っ黒になるなどの低温障害を起こしやすい果物です。また、十分に熟していないバナナを冷蔵庫にいれると追熟が止まってしまい、甘くならないまま保存されることになってしまいます。

バナナは常温でスタンドに吊るしておくと長持ちするのでおすすめです。

 

・熱帯地域原産の果物

バナナと同じく、暑い場所で収穫されるパイナップル、マンゴー、パパイヤといった果物も冷気に弱いため、常温で保存するのに適しています。バナナと同じく、熟しきる前に野菜室に入れてしまうと追熟が止まってしまい、美味しく食べることができなくなってしまします。これらの果物は常温で追熟させ、食べる数時間前に冷蔵庫で冷やして食べる方法がおすすめです。

 

・常温での追熟が必要な果物

キウイ、洋ナシ、メロン、桃、ぶどうなどは、スーパーなどで購入したときは完全に熟しきっておらず、追熟しないと美味しく食べられないものも多い果物です。このような果物も熟す前に野菜室に入れてしまうと追熟が止まってしまい、美味しく食べることができなくなってしまいます。買ってきたらまず常温で保管し、それぞれの果物の食べごろのサイン(柔らかさや色、匂いなど)を見逃さないようにしましょう。追熟したら食べる数時間前に冷蔵庫に入れて冷やしておくのがおすすめです。

 

・りんご

冬が旬のりんごは、涼しい時期であれば室内で常温保存することも可能です。また、りんごは乾燥に弱いため、なるべく水分を保持しながら保存するのがポイントです。キッチンペーパーや新聞紙などで一つずつくるんで保管すると美味しさをキープしたまま保存できます。

さらにりんごは、野菜や果物が自らを熟成させるために放出する植物ホルモン「エチレンガス」を多く発する果物として知られています。冷蔵庫や野菜室などの密閉された空間にりんごと一緒に他の野菜や果物を保存しておくと、りんごが発するエチレンガスに影響を受け、他の野菜や果物も熟成が一気に進み、すぐに傷んでしまいます。それを防ぐためにも、暑い時期などにりんごを野菜室で保存する場合は、そのままではなく必ずラップで包んだりポリ袋に入れたりといった工夫が必要です。

 

・みかん

みかんはりんごと同じく冬の寒い季節が旬の果物です。そのため、寒い時期には室内で保存することが可能です。その際には、直射日光に当たらない場所を選ぶようにしましょう。みかんはまとめ買いをして段ボールなどでそのまま保存することも多い果物ですが、室内で保存する際には、まず傷んでいたりカビが生えていたりするものがないかチェックし、一つでもあれば取り出しておきます。その際には、ヘタがあるほうを下向きにして保存するようにしましょう。みかんはヘタから水分が抜けやすいため、ヘタを下向きにしておくと乾燥を防ぎながら保存することができます。

ただし、みかんは冬場以外は野菜室で保存するのがおすすめです。冷蔵庫で保存する場合も、やはり乾燥から防ぎながら保存するのが鮮度を長持ちさせるコツです。一つずつペーパータオルで包み、ポリ袋などに入れて保存しましょう。その際には、常温で保存する時と同じくヘタが下向きになるように置くようにするのがポイントです。

 

・グレープフルーツ

グレープフルーツはみかんと同じく柑橘類ですが、みかんなどよりも皮が厚いため傷みにくく、常温で保存することができます。常温で保存する際には、かごなどに入れて風通しを良くしておきましょう。真夏など室温が高くなる季節は、野菜室での保存が適しています。一つずつラップに包んで保存するのがベストですが、面倒な時はいくつかまとめてポリ袋に入れておくだけでも長持ちします。

 

・柿

秋に旬を迎える柿は、シーズン時にはまとめてもらったりすることも多い果物です。固い状態でも柔らかい状態でもどちらも美味しく食べることが柿は、熟しきっていない場合は好みの固さになるまで常温で保存することができます。ただし常温で置いておくとあっという間に柔らかくなってしまうので、食べごろを見逃さないようにしましょう。熟しきってしまった場合は、冷蔵庫に入れておくと傷みが進むのを抑えることができます。この時、柿のヘタを乾かさないように保存するのが鮮度を長持ちさせるコツです。柿はヘタが渇いていると実が柔らかくなっていく性質を持っています。水を含ませたティッシュやキッチンペーパーなどを折り畳み、ヘタにかぶせてからラップで包みます。こうすることで実が柔らかくなるのを防ぎ、より長く美味しさを長続きさせることができます。

【野菜室で保存するのに適している果物の保存方法】

上述したように、果物は意外と冷蔵庫での保存に向かないものも多いのですが、もちろん野菜室で保存する方が良い果物もあります。基本的には水分量が多く、常温に置いておいても追熟することがない果物は早めに野菜室に保存するほうが良いでしょう。

スイカ、梨、いちご、さくらんぼなどの果物は、買ったらすぐに野菜室に入れて保存しておきましょう。スイカなど丸ごとのままでは大きすぎて入らない場合は、半分に切って切り口をラップでぴったりと覆い、野菜室で保存しましょう。

【野菜室で保存するのに適していその他の食品の保存方法】

冷蔵室ほど温度が低くない野菜室は、野菜・果物以外の食品も保存するのに適しています。

 

・米

お米は開封した瞬間から劣化が始まっていくため、冷暗所で保存するのが鉄則です。昔は土間などの涼しい場所が一般家庭にもありましたが、現代の住宅内にはお米を保存しておくのに向いている場所を見つけるのが難しく、温かく湿気が多いところに置いておくと劣化が進むのが早くなってしまったり、虫がつきやすくなったりしてしまいます。お米は米びつに入れて野菜室に保管するのが一番ですが、米びつがなかったり野菜室に十分なスペースがなかったりする場合は、ペットボトルや保存用袋などに小分けにしてお米を入れて置き、野菜室に置いておくのがおすすめです。

 

・粉類

小麦粉や片栗粉、パン粉、てんぷら粉、お好み焼き粉、ホットケーキミックスといった粉類も、常温で置いておくと酸化が進み劣化しやすい食品です。特にホットケーキミックスやお好み焼き粉といったタンパク質が含まれている粉類には粉ダニという虫がつきやすいため、密閉容器に入れて野菜室に保存しておくのが安心です。

 

・ワイン

保存状況に左右されやすく味も変化しやすいワインは、適切に保存しないと味を損なってしまう繊細なお酒です。専用のワインセラーで保管するのが一番良いのは言うまでもありませんが、普段からワインを何本も保存するわけではない家庭の場合、ワインセラーをわざわざ準備するのは難しいと思います。ワインの保存にもっとも適した環境は15℃前後で適度に湿度がある場所であるため、数本のワインを短期間保存する場合には野菜室に保存するのがおすすめです。

6.冷凍室

温度:-20〜-18℃

日本の家庭用冷蔵庫の冷凍室は、JIS規格により-18℃以下と定められており、冷凍食品をはじめ長期間保存したい食材を長期保存するのに向いています。購入してすぐに使わない食品や冷蔵室・野菜室でも数日しか日持ちしない食品も、適切に処理して冷凍室に保存すればより長く安全に保存することができ、家庭用冷蔵庫になくてはならない部屋です。

◆保存するのにおすすめの食品・食材

冷凍食品、アイスクリーム、長期間保存したい生鮮食品(肉・魚・野菜など)

 

◆保存方法

冷凍食品やアイスクリームは、買ってきたものをそのまま冷凍庫に入れておけば大丈夫ですが、肉や魚、野菜、作り置きしたおかずなどを冷凍保存する際には、それぞれコツがあります。

 

肉類

肉類は、鶏肉・豚肉・牛肉の順に痛みやすく、ブロック肉よりも薄切り肉、ひき肉のほうが空気に触れる場所が多いため保存できる期間が短くなります。冷蔵保存で1日~5日ほど保存できる肉類ですが、冷凍することによって1ヵ月ほど保存することが可能になります。その際はスーパーで買ってきたパックから肉を取り出し、ドリップを拭き取ってから小分けにします。その後ラップで包み、フリーザーバッグなどに密閉して保存しましょう。

 

・魚類

鮮度が落ちやすい魚類は、冷凍すると2週間程度保存可能になります。切り身の場合は小分けにしてラップで包み、保存バッグに入れて冷凍します。一尾の場合は頭、エラ、うろこ、内臓を取り除き、ラップをして保存バッグに入れます。冷蔵庫に急速冷凍の機能がある場合は、通常の冷凍室で冷凍するよりも美味しさを保つことができるのでおすすめです。

 

野菜類

生では食べない野菜や、野菜室で保存するよりも長時間野菜を保存したい場合は、冷凍保存するのもおすすめです。水分の多い野菜は冷凍すると食感が変わってしまうため、基本的に火を通して使う用途として保存します。そのため、ほうれん草などは下茹でしてから、玉ねぎはみじん切りしてからなど、下ごしらえしてからフリーザーバッグなどに入れて冷凍保存します。

冷蔵庫の温度をキープするためには?

停電でもしない限り、冷蔵庫内の温度は一定に保たれていると思いがちですが、実は取り扱い方や中に入れる食品の保存の仕方などによって、庫内の温度は変化してしまいます。保存している食品をしっかりと守るためにも、冷蔵庫の各部屋の温度は一定にキープしておくのが大切です。

 

・扉の開け閉めを頻繁にしない

あまり頻繁に冷蔵室の扉を開け閉めていると、外の暖かい空が庫内に流れ込み、中の温度が上がってしまいます。なるべく扉の開閉は最低限にするようにしましょう。

 

・食品を詰め込みすぎない

冷蔵室内にものを入れすぎると、冷気が循環するスペースが減ってしまうため、保冷効果が少なくなってしまいます。なるべく中に入れる食品は、庫内のスペースの7割以下程度に抑えるようにしましょう。

 

・温度の高い食品をそのまま保存しない

余った料理や作り置きのおかずなどをまだ暖かいうちに冷蔵庫に入れてしまうと、庫内の温度が上がってしまいます。他の食材も影響を受けてしまうので、しっかりと冷ましてから保存するようにしましょう。

 

・冷凍庫の場合は隙間なく食品を詰める

冷蔵室とは逆に、冷凍庫はなるべく隙間ができないように食材を詰めるのがポイントです。食品がたくさん詰まっていて隙間がないほうが冷気が逃げにくく、それぞれの食品が保冷剤の役割を果たしてくれるためです。

ツインバードの3ドア冷凍冷蔵庫が悩みを解決!

3ドア冷凍冷蔵庫(HR-F919PW)

ライフスタイルに合わせて温度切替が可能な『くらしにピタッと切替室』がついた、3ドア冷凍冷蔵庫。

切替室の庫内温度は0℃、4℃、7℃の3段階に切り替えが可能です。0℃に設定にすれば生鮮食品やキンキンに冷えたビールや微発泡の日本酒の保存に。4℃は追加の冷蔵スペースに、7℃は野菜室として活用できます。使う人それぞれのライフスタイルに合わせて使い道を選べるので、使い勝手が良く、長くお使いいただけます。また、冷蔵室と冷凍室は余裕のハーフ&ハーフのサイズ。冷凍室は買い物カゴ約2個分を収納できる大容量なので、「買いおき」や「つくりおき」もたっぷり保存できます。