加湿器の選び方のポイントとは?

【この記事ではこんなことが分かります】

・加湿器の効果とは?

・加湿方式の種類と仕組み

・加湿方式ごとのメリット・デメリット

・加湿器の選び方のポイント

加湿器の効果とは?

加湿器とは、水分を放出することで空気を加湿し、お部屋の空気の乾燥を防ぐ家電です。日本では特に秋から冬にかけて空気が乾燥する地域が多いため、冬場に活躍するのはもちろん、一台あると季節を問わず重宝します。ここでは、加湿器を使うことによって実感できる効果を紹介します。

・のどや鼻の粘膜の乾燥を防ぐ

空気が乾燥していると、風邪をひきやすくなったりインフルエンザが流行したりすることはよく知られています。風邪やインフルエンザを引き起こすウイルスは、空気が湿っていると空気中の水分が付着するため重くなり、長時間浮遊することができなくなります。しかし、空気が乾燥していると長時間空気中を漂うことができるようになります。空気が乾燥しているとウイルスが人の口や鼻などから体内に侵入しやすくなるため、風邪をひいたりインフルエンザにかかりやすくなったりするといわれています。

また、空気が乾燥していると、のどや鼻の粘膜も乾燥して炎症を起こしやすくなるといわれています。

のどや鼻の粘膜は、適切な湿度下ではウイルスの侵入を防ぐ役割を果たしているのですが、空気の乾燥により粘膜も乾燥している状態になっていると、ウイルスが付着しやすくなってしまうといわれています。このように、空気が乾燥していると「ウイルスが浮遊しやすくなる」「のどや鼻の粘膜からウイルスが侵入しやすくなる」という理由から、風邪をひきやすくなったりインフルエンザに かかりやすくなったりするといわれています。

加湿器で室内の空気を適切な湿度に保っておくと、ウイルスの浮遊率を下げ、のどや鼻の粘膜を保護しウイルスが体内に侵入しやすくなるのを防ぐ効果を期待することができます。

お肌や髪の毛のトラブルを防ぐ

空気の乾燥が進むと、お肌や髪の毛の水分も失われやすくなり、トラブルが起きやすくなります。冬場になると、肌が乾燥して粉をふいてしまう人や、赤みが出てしまったりかゆみが出てしまったりするという人もいるのではないでしょうか。このような症状は、空気の乾燥によってお肌にもともと備わっている「バリア機能」が低下してしまうために起こります。

もともと私たちのお肌には、皮膚の水分を内部に閉じ込めて水分の蒸発を防ぐ「バリア機能」と呼ばれる機能が備わっています。このバリア機能が正常に機能していれば、肌内部の水分を十分に留めておくことができるのですが、空気が乾燥したところにずっといるとこのバリア機能が低下してしまいます。すると、肌内部の水分をとどめておくのが難しくなり、お肌の水分が蒸発してしまうため乾燥肌になってしまうと言われています。特にお顔の乾燥肌状態が続くと、シミやシワ、たるみといったあらゆる肌トラブルの原因となってしまう可能性があるので注意が必要です。

また、お肌だけではなく、髪の毛も空気の乾燥によって水分が失われやすい状態になってしまいます。髪の毛の水分が失われると、全体がパサついたり広がりやすくなったりするといったことだけでなく、切れ毛や枝毛といったダメージヘアの原因にもなります。

加湿器を使って適度な湿度を保つことによって、お肌や髪の毛の乾燥によるダメージを防ぐ効果を期待することができます。

・静電気対策

冬は静電気が起こりやすくなる季節でもあります。お部屋や車のドアノブに触った瞬間や、自分以外の人に触れた瞬間にパチッ!と不快な思いをしたことのある人も多いのではないでしょうか。静電気は、気温20~25℃以下・湿度20%以下の時に発生しやすくなると言われています。そのため、室内の空気が燥状態になると静電気が発生しやすくなってしまいます。加湿器を使って湿度を適度に高めることにより、不快な静電気が起きにくくなる効果を期待できます。

体感温度を上げる

湿度は、体感温度に大きく影響を与えると言われています。同じ気温でも湿度が高ければ暖かく(暑く)、湿度が低ければ涼しく(寒く)感じるため、もともと気温が低い冬の時期は、湿度も低いと実際の気温よりもさらに寒く感じてしまいます。加湿器を使って室内の湿度を上げると、体感温度は実際の気温よりも暖かくなるため、エアコンなどの暖房器具と併用すれば効率的に快適な室温にすることができるようになります。

加湿方式の種類と仕組みについて

加湿器には、その仕組みによって「スチーム式(加熱式)」「超音波式」「気化式」「ハイブリッド式(加熱気化式 / 加熱超音波式)」と4つの種類に分類することができます。ここでは、それぞれの加湿器の種類と仕組みについて紹介します。

 

【スチーム式(加熱式)】

スチーム式とは、本体内部にあるヒーターで水を加熱し、発生した水蒸気で加湿する方式です。水を加熱して沸騰させて湯気を発生させるため、「加熱式」と呼ばれることもあります。

【超音波式】

超音波式とは、本体内部にある超音波発生装置で水を振動させ、細かいミスト状にして加湿する方式です。

アロマオイルなどを追加できるタイプも多いのが特徴で、デザイン性の高いものも多く発売されています。

【気化式】

気化式とは、加湿器内部にあるフィルターに水を吸わせて蒸発させることによって加湿する仕組みです。自然に蒸発させるタイプのほか、給水したフィルターにファンで風を送って気化した水蒸気を室内に放出する仕組みのものも多くあります。コンパクトな卓上タイプから、床に設置するタイプのものまで、幅広いタイプのモデルがあるのが特徴です。

【ハイブリッド式(加熱気化式 / 加熱超音波式)

ハイブリッド式とは、上述した気化式もしくは超音波式の仕組みに、加熱式を組み合わせることによってより効率よく加湿する方式です。

「加熱気化式」は、水を吸わせたフィルターに温風を当て、蒸気を発生させることによって加湿します。吸水したフィルターを自然に蒸発させたりファンで風を送ったりするだけよりも、素早く水蒸気を発生させることができるようになります。

「加熱超音波式」は、超音波式と加熱式を組み合わせた加湿方式です。ヒーターで加熱した水を超音波発生装置で振動させ、ミスト状にして放出するという仕組みになっています。

加湿方式ごとのメリット・デメリット

先述したように、加湿器の加湿方式には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは、各加湿方式のメリット・デメリットを紹介します。

 

【スチーム式(加熱式)】

・メリット

加湿器内部で毎回水を沸騰させて水蒸気を発生させる仕組みのため、雑菌やカビが発生しにくく衛生的なのがメリットです。また、加湿能力もパワフルなものが多く、他の加湿方式のものよりも短時間で室内の湿度を上げられることもメリットのひとつです。さらに、沸騰した水蒸気がそのまま放出されているため、水蒸気自体が温かく暖房効果もあります。

・デメリット

水を沸騰させるための加熱に電力が必要となるため、他の加湿方式よりも電気代がかかりやすいのがデメリットと言えます。また、蒸気自体が熱かったり、水蒸気の吹き出し口が熱くなりやすかったりするため、特に小さな子供がいる家庭の場合は火傷や転倒などに注意が必要になります。

【超音波式】

・メリット

ヒーターを利用しないため、電気代を抑えられるのがメリットのひとつです。コンパクトなタイプのモデルに多く搭載されている加湿方式のため、卓上式を探している人にもおすすめです。デザイン性が高くお洒落なタイプやアロマオイルを入れてディフューザーとしても楽しめるモデルもこの加湿方式を採用しているものが多いため、加湿をするとともに香りも楽しむことができるのもメリットです。また、ヒーターを使わないため、蒸気や吹き出し口も熱くならず、小さな子供がいる家庭でも安心して使えます。

・デメリット

水を加熱せずにミスト状にするため、給水タンクやトレー、フィルターといった内部に雑菌やカビが繁殖しやすいのがデメリットのひとつです。お手入れをこまめせず、内部に汚れが残ったままにしていると、雑菌やカビが混ざった状態でミストを散布してしまうことになり、汚れも一緒にお部屋に広がってしまう可能性があります。なるべく内部部品の掃除やお手入れを頻繁にしたくないという人にはデメリットになります。

また、超音波式の加湿器は、水道水をそのまま細かい水の粒にして噴射する仕組みになっているので、水道水に含まれるミネラル成分などもそのまま噴出されます。そのため、超音波式加湿器を使用していると、吹き出し口や周辺の家具や家電などに水道水のミネラル成分が結晶化した白い粉が吹いてしまうこともあります。別の家電などにこの汚れが溜まると故障の原因になる可能性もあるので、注意が必要です。

【気化式】

・メリット

気化式の加湿器も超音波式と同じく、ヒーターを使わないため電気代を抑えられるのがメリットです。また、吹き出し口や水蒸気も熱くならないため、火傷などの心配がないのもメリットと言えます。さらに、気化式の加湿器には室内の湿度を検知して調整する自己調湿機能が付いているものが多いのも特徴です。

・デメリット

水分が気化することによって空気を加湿していく仕組みのため、加湿スピードがとてもゆっくりであることがデメリットといえます。広い部屋を素早く加湿したい場合や、パワフルな加湿能力を求めている人にはあまり向いていません。

また、ファンを使って送風して水を含んだフィルターの水分を気化させるタイプの場合は、モーター音やファンが回転する音がうるさく感じる場合もあります。

【ハイブリッド式(加熱気化式)】

・メリット

加熱式と気化式を組み合わせたハイブリッド式は、従来の加湿方式のデメリットがカバーされているのが特徴です。通常の気化式加湿器の場合は、加湿スピードが遅いことがデメリットでしたが、加湿フィルターにヒーターとファンで発生させた温風を当てることにより、素早く加湿できるようになっています。また、加熱式と気化式を組み合わせたハイブリッド式の場合は、水分がしっかりと気化されるため水の粒子がより細かくなり、内部の雑菌が粒子に付着しにくくなるので、雑菌が水分と一緒に放出されにくくなります。さらに、水の粒子が細かくなることによるメリットは他にもあります。従来の気化式だと、加湿器本体の周辺は加湿されるものの、加湿器から遠い部屋の隅などまでしっかり加湿されにくいという加湿ムラがありましたが、ハイブリッド式の加湿では、より細かくなった水の粒子が温風で拡散されるため、部屋の隅々までしっかりと加湿できるようになります。

・デメリット

加熱気化式の加湿器は、温風を発生させるためにヒーターを搭載しています。そのため、通常の気化式の加湿器よりも消費電力が大きく、電気代がかかるのがデメリットです。また、本体の価格も高額になる傾向があります。

さらに、ヒーターを利用しているとはいえ、殺菌するほど高温にはならないため、雑菌やカビの繁殖を完全に抑えることはできません。そのため、通常の気化式の加湿器と同じく定期的な掃除やお手入れが必要になります。

【ハイブリッド式(加熱超音波式)】

・メリット

加熱式と超音波式を組み合わせたハイブリッド式加湿器は、ヒーターで加熱した水を超音波で振動させてからミスト状にして加湿します。そのため、通常の超音波式加湿器とは異なり、殺菌やカビが繁殖しにくいのがメリットです。また、加湿器の構造上ファンなども内蔵されていないため、お手入れがしやすいうえにファンの回転音などが気にならないのもメリットのひとつです。

・デメリット

通常の超音波式加湿器と同じく、水の粒子は大きいまま拡散されるため、吹き出し口や周辺の家具や家電などに水道水のミネラル成分が結晶化した白い粉が吹いてしまうこともあります。また、周辺に置いてあるものや本体周囲の壁やカーテンなどが濡れてしまう可能性もあります。

加湿器の選び方のポイント

ここまで、加湿器の種類のほか、それぞれの加湿器のメリットとデメリットを紹介してきました。それでは、具体的にはどのようなポイントから加湿器を選ぶのが良いのでしょうか。お部屋やライフスタイルに合った加湿器の選び方のポイントを紹介します。

1.加湿器を設置する部屋の広さから選ぶ

加湿器の加湿能力とお部屋の広さが合っていないと、お部屋を十分に加湿できなかったり加湿ムラができてしまったりする一方、加湿しすぎてしまうといったこと(過加湿)も起こり得ます。まずは、お部屋の広さに合った能力の加湿器を選ぶことが重要です。

加湿器の加湿能力は、先述した加湿方式に関係なく「室温20℃・湿度30%のときに放出できる1時間あたりの水分量」と定められており、「mL/h」で表示されています。これだけ聞いてもどのくらいの加湿能力があるのかピンと来ない人もいるかと思いますが、基本的にはこの加湿能力「mL/h」の値が大きければ大きいほどパワフルな加湿能力があり、広い部屋でも短時間で加湿するということを意味します。この加湿量に応じた部屋の広さの目安が「適用床面積(適用畳数)」と呼ばれるもので、畳数または平米数で記載されています。加湿器を選ぶ際は設置する部屋の広さに適したものを選べば問題ありませんが、お部屋が「木造の和室」か「プレハブの洋室」のどちらかで適用床面積は若干変わってきます。これは、和室の場合は木造の天井や畳・障子・ふすまなどで構成されていることから部屋全体が吸湿しやすい造りになっているのに対して、洋室はフローリングの床とビニールクロスの天井や壁で構成されていることが多く、部屋全体が吸湿しにくい造りとなっているという違いのためです。

加湿能力が部屋の広さに対して低すぎる場合は、フル稼働しても十分に加湿をすることができなかったり、加湿器本体の周辺だけが加湿され、加湿器から離れた場所は乾燥したままだったりという加湿ムラもできてしまいます。逆に部屋の広さに対して加湿能力が高すぎる加湿器を選んでしまうと過加湿状態となり、窓に結露が生じるおそれがあります。このような過加湿状態が続くと、家具やカーテンなどにカビが生えることもあるので注意が必要です。加湿器を選ぶ際は、まずは部屋の広さや造りに応じて、適した加湿能力のものを選択するようにしましょう。

2.給水タンクの容量から選ぶ

加湿器には必ず付属している、水を入れるタンクの容量もチェックしたいポイントです。加湿器のお手入れと並行して意外と面倒なのが、タンクに水を補給する作業です。空気の乾燥が酷い冬場などは、タンクに水を満杯にしていても気づいたらタンクが空になってしまっていることがあります。タンクの容量が大きければ、何度もタンクに水を入れ直してセットする手間が省けるため、特にお部屋が広い場合は加湿能力とともにタンクの容量もしっかりとあるかどうかを確認しておくようにしましょう。ただし、部屋の広さに対してタンクが大きすぎる場合は、タンクに水が残りやすくなってしまうため、残った水をしっかりと捨てておかないと雑菌が繁殖しやすくなる場合もあります。大容量のタンクが付属している加湿器を選ぶ場合は、お部屋の広さも考慮して選ぶようにしましょう。

3.お手入れのしやすさから選ぶ

加湿器は水を使う家電のため雑菌やカビが発生しやすく、どうしてもお手入れは必要になってきます。しかし、加湿器の種類によってパーツの多さや雑菌の繁殖しやすさなども変わってくるため、お手入れのしやすさや掃除が必要な頻度もそれぞれ異なります。

加湿器の中でも、最もお手入れの手間がかからないのは「スチーム式(加熱式)」の加湿器です。スチーム式の加湿器はタンクの水をヒーターで加熱して発生する蒸気で加湿するため、使用するたびに内部が殺菌されています。雑菌やカビ自体が繁殖しにくいため、他の加湿方式のものに比べてお手入れの手間や頻度は少なくて済みます。

スチーム式(加熱式)の他には、ハイブリッド式の加湿器も雑菌やカビが繁殖しにくいタイプです。ハイブリッド式には、「加熱気化式」のものと「加熱超音波式」のものがありますが、どちらもヒーターを使って温風を発生させることから、通常の気化式・超音波式の加湿器よりも雑菌が繁殖しにくくなっています。

一方、内部が汚れやすくお手入れの手間がかかるのは「超音波式」「気化式」の加湿器です。どちらもヒーターを使わない仕組みになっているため、内部が殺菌されず雑菌やカビが繁殖しやすい傾向にあります。気化式の場合は、フィルターに給水させた水分を気化させることで加湿するので、フィルターが常に濡れている状態になります。そのため、こまめに掃除をしていないとカビや雑菌が増える心配があります。ただし、近年発売されている加湿器のモデルの中には給水タンク内の水をUVライトなどで除菌する機能や、メーカー独自のイオン技術でタンクや内部パーツに繁殖する菌を抑制する機能が付加されているものもあるため、一概に加湿方式のみでお手入れのしやすさを判断することはできません。加湿器を選ぶ際は、加湿方式とともに除菌機能もチェックして選ぶようにするのがおすすめです。

また、加湿方式の他にも、給水タンクをはじめとする各パーツの形状によって、お手入れやお掃除のしやすさも変わってきます。タンクや水の受け取りトレー、加湿フィルターといった各パーツが取り外し可能で丸洗いできるタイプのものだと、日々のお手入れやお掃除もしやすくなります。

4.消費電力から選ぶ

加湿器は暖房代がかさむ冬場に冬場に活躍することが多いため、なるべく電気代がかからないものを選びたいところです。先述したように、加湿器にはヒーターを使うタイプのものと使わないタイプのものに分かれており、基本的にヒーターを使わないもののほうが電気代はかかりません。本体の大きさや稼働時間にもよりますが、一般的に電気代は超音波式<気化式<ハイブリッド式<スチーム式 の順に高くなる傾向があります。

また、部屋の広さに足りない加湿能力の加湿器をずっと稼働させているよりも、より加湿能力に余裕のある加湿器を適度に使用しているほうが電気代はかかにくいという場合もあります。加湿能力が高い加湿器のほうが本体も大きく価格も高額になりやすいですが、日々の電気代を考えて長い目で見ると、加湿能力が高いものを選んだほうが消費電力が少なく済むこともあります。加湿器を選ぶときは、本体価格と合わせて電気代含むランニングコストも考慮して選ぶようにしましょう。

ツインバードの加湿器

スチーム式パーソナル加湿器 SK-E961W

デスクワークや勉強に最適なコンパクトサイズのスチーム式パーソナル加湿器。水を沸騰させるスチーム式加湿と抗菌 ※1 加工の水タンクで雑菌繁殖を抑制し、より清潔な加湿を実現しました。また、加湿しながら好みの香りをお楽しみいただけるアロマトレー付です。

※1【試験依頼先】一般財団法人 新潟県環境衛生研究所 【試験方法】JIS Z 2801に基づく 【抗菌方法】樹脂に抗菌剤を含有 【対象】タンク及びタンクキャップ 【試験結果】抗菌活性値2.0以上(第202108267-001-MBA号)。